私の仕事では、Fujifilm GFX 100SとLinhof Technika 4x5の二つのシステムを使い分けています。どちらが優れているという話ではなく、それぞれが得意とする場面が異なります。この違いを理解することが、撮影の依頼をする際の参考になれば幸いです。
中判デジタル:Fujifilm GFX 100Sの特性 ¶
Fujifilm GFX 100Sは1億200万画素のセンサーを持ち、動きのある場面での即応性が高いのが特徴です。婚礼の挙式シーンや、人物の表情の変化を追う場面では、このシステムを使います。オートフォーカスの精度が高く、光量が少ない室内でも安定した結果が得られます。データの確認がその場でできるため、クライアントとのコミュニケーションにも使いやすいです。
大判フィルム:Linhof Technika 4x5の特性 ¶
Linhof Technika 4x5は、フィルム面積が35mmの約13倍あります。この大きなフィルム面積が、中間調の豊かさと粒子の細かさを生みます。建築や静物の撮影では、この情報量の豊かさが最終的なプリントの質に直結します。ただし、一枚ごとにフィルムを装填する必要があり、撮影のペースは必然的にゆっくりになります。この「遅さ」が、被写体との関係を変えることもあります。
フィルムの選択:KodakとIlfordの違い ¶
大判フィルムでは主にKodak Portra 400とIlford HP5を使っています。Portra 400はカラーネガフィルムで、肌色の再現性が高く、ハイライトの粘りが強いのが特徴です。Ilford HP5はモノクロフィルムで、コントラストのコントロールがしやすく、建築の線と面を記録するのに向いています。どちらを使うかは、被写体と最終的な用途によって決めます。
プリントへの影響 ¶
大判フィルムで撮影した写真をHahnemühle Photo Rag 308gにプリントすると、デジタルとは異なる質感が出ます。これはフィルムの粒子構造がプリントに影響するためです。Prism Print Labでのテストプリントを経て、最終的な色調整を行います。この工程に3〜5日かかりますが、手元に残る一枚の質を決める重要な作業です。
中判デジタルと大判フィルム、どちらが適しているかは撮影の目的によって変わります。ご依頼の際に、用途と最終的な使い方をお聞かせいただければ、最適なシステムを提案します。